家出人捜索のための法律知識

行方不明による「失踪宣告」とは?やり方と、法律上の効果は?

「失踪宣告」とは、その不在者・生死不明者を家庭裁判所に申し立てする事により、
法律上で死亡を確定するものです。


●失踪宣告の種類
失踪宣告には次の2種類があります。
●普通失踪・・・自ら現住所を離れた、行方不明の事
●危難失踪・・・戦争、船舶の沈没、震災などの特別な危難が起きた場合

この2つは、失踪宣告を家庭裁判所に申し立てする事ができる、規定の期間が異なります。
普通失踪は、その不在者が失踪してから7年経過してから、危難失踪はその危難が去ってから
1年間経過しているかという事です。


※民法を引用すると・・・
「民法第30条/失踪宣告」
1:不在者の生死が7年間あきらかでないときは、家庭裁判所は、利害関係人に請求により、
  失踪の宣告をすることができる。
2:戦地に臨んだ者、沈没した船舶の中に在った者その他死亡の原因となるべき危難に遭遇した者の生死が、
  それぞれ、戦争が止んだ後、船舶が沈没した後又はその他の危難が去った後一年間明らかでないときも、
  前項と同様とする。

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●失踪宣告の申し立てが出来る人
・配偶者
・相続人
・財産管理人
・受遺者
など、不在者との利害関係がある人物。
不在者の現住所の管轄の家庭裁判所にに申し立てをします。


●失踪宣告の申し立ての手順
利害関係のある人が、家庭裁判所に失踪宣告の申し立てをすると、
裁判所による聞き取り調査が開始されます。

この聞き取り調査では、その不在者と最後に会った人への状況などが聞かれ、
それから一定の期間をかけて不在者を知っている人がいないかを公告します。


一定の期間とは普通失踪だと6ヶ月以上で、危難失踪の場合は2ヶ月以上の期間を定められます。

この期間内に生存情報が得られなかった場合に、失踪宣告がされます。


●失踪宣告に必要な書類phm01_0098-s2.jpg
・申立書
・申立人の戸籍謄本
・不在者の戸籍謄本
・行方不明の事実を証明できる資料
・申立人の利害関係を証明する資料


●失踪宣告の申し立てに必要な費用
・収入印紙/800円
・連絡用の郵便切手
・完了公告料/4000円前後

合わせて5000円前後で、失踪宣告の申し立てができます。


●失踪宣告をすると、どんな効果があるのか

家庭裁判所に「失踪宣告」をすると、法律上では不在者は死亡したと確定出来るのですが、
そうする事でどんなメリットがあるんでしょうか?

そもそも、事実上は行方不明・生死不明となっているにも関わらず、
死亡した事にしないでいると、住民税や保険料なども支払っていかなければならないため、
お金の面で家族に負担がかかります。


失踪宣告がされる事で、住民税や保険料などの支払い義務がなくなるだけでなく、
かけてきた生命保険の死亡保険金が受け取れたり、遺産の相続手続きが開始出来ます。

また不在者が結婚していた場合には、失踪宣告をすることで婚姻関係を解消でき、
配偶者は再婚する事も出来るようになります。


ですが、この失踪宣告は義務化されているわけではないので、
申し立てをするかどうかは利害関係のある家族などの意思により決定できます。

「あの人が帰ってくるのを信じたい」という人は、失踪宣告をしなくても構わないという事です。

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●「行方不明になった夫と、離婚したいだけ」という人には

行方不明となってから7年経過していないと失踪宣告は出来ませんが、
この7年という年月もの間離婚出来ないのは、生活が苦しくなる事が懸念される事から、
7年待たなくても行方不明となってから3年が経過すれば、一方的に離婚をする事ができます。

ですがこの一方的な離婚の場合は、失踪宣告とは異なるため、遺産を相続する権利はなくなります。


これらは民法でいうと、第770条に書かれている事です。


●もし、失踪宣告後に不在者が生きて戻ってきたらどうする?

一度失踪宣告をしたのに、行方不明となっていた本人が生存していた場合には、
その本人または利害関係人が、家庭裁判所に"失踪宣告の取り消し"を請求する事ができます。

ただし、この場合は一度相続されてしまった財産全てを取り戻すというのは、ほぼ不可能です。


行方不明となっていた人が生きていた事を知らないで、相続した財産を売却していたり
消費してしまったものに関しては、財産は返却する必要がないと法律では考えられています。

わかりやすくいうと、失踪宣告によって財産が分配され、
相続した人が遺産で引き継いだ建物や土地を売却してしまったとしても、
相続したお金を海外旅行などの趣味やギャンブルで使い果たしてしまったとしても、
返却義務はないという事です。


という事は、残された配偶者が既に他の人物と再婚していた場合にも、その再婚を取り消す事は出来ないんです。


●認定死亡と、失踪宣告との違い

失踪宣告と似ている法律に、「認定死亡」というものがあります。

通常であれば戸籍で死亡を確定するには、医師による「死亡診断書等」が必要になりますが、
この死亡診断書等は遺体が発見出来ないと、死亡診断書は作成出来ません。


そこで、災害や事故などで死亡は確実であるのにも関わらず、遺体が発見出来ない場合に、
官公庁の取り調べと死亡報告によって、戸籍でも死亡として扱うように出来る事、
これを「認定死亡」という制度です。


失踪宣告と認定死亡は、実際に死亡しているかどうかは不明でも、
法律上では死亡した事を確定するという点では同じですが、失踪宣告は家庭裁判所、
認定死亡は官公庁から市町村長で決定されるという点に違いがあります。


●家出人、行方不明者がいる場合
先ほどお話したように、家出人や行方不明者がいる場合、
数年経たなければ失踪宣告をする事が出来ません。

ですが、この失踪宣告を行うまでは住民税や保険料を支払う必要がありますので、
残された家族は金銭的な負担になります。


家出人や行方不明者、失踪者をそのままにしておくのではなく、探偵事務所など人探しのプロに依頼して、
一刻も早く見つけ出した方がいいでしょう。
プロの「探偵」に依頼して捜索する時の費用は?メリット&デメリット


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